理事長基本方針

未来へと続く希望の路に
~創始の思いを胸に今~

「神戸JCは元気かね」

50周年を迎えた2008年、故秋田博正初代理事長が私に問われたことです。あれから5年の年月が経ち、55周年を迎える本年、私自身がこのすばらしい組織のリーダーとして、その問いに答えることへ挑戦する機会を与えていただきました。本年の活動が希望ある未来へとつながるために創始の想いを胸に、今を歩みます。
その全ては仲間とともに。

55周年を迎えるにあたって

1958年5月16日、全国で143番目の青年会議所として承認され、神戸青年会議所が設立しました。これまでに約2000名のメンバーが関わり、神戸の街やこの組織に多くの軌跡を残しています。先輩諸兄が築いた歴史と伝統の全ては次代のメンバーが活動できる基盤を生み続けてくれました。40歳を迎え神戸青年会議所を巣立つとき、次代へ託すバトンには言葉で言い尽くせない、それぞれの強い想いが込められています。その想いを引き継ぐ者としてALLKOBEJAYCEESの一員であることに自覚と誇りを持ち、論ずることのみに終わるのではなく、神戸青年会議所が躍動する組織であり続けるために力強い運動を展開していきましょう。

未来の神戸へと続く路

地方都市を取り巻く環境は神戸だけではなく全国でさまざまな問題を抱えています。個々の問題はそれぞれに都市の持つ特色があるものの、その多くは日本が人口減少社会に入っていることにあると捉えています。いかなる都市であっても着実に訪れるこの現実が、これから起こる全ての社会問題に起因すると言っても過言ではありません。神戸の街は平成7年に発生した阪神淡路大震災以前の人口を10年かけて取り戻し、現在は震災前の人口を上回る約154万人を有しますが、統計上では神戸市においても減少へ転じることが予測されています。このことは確実に訪れる社会問題として受け入れる一方で、人が集う街でなければ活力のある街づくりは実現できないということも認識しておかなければなりません。ではこのような実社会の歩みの中で、神戸の街を希望ある未来へとつなげるためには、どのような取り組みが必要とされるのでしょうか。本年は神戸JCとして二つのキーワードを取り上げ、可能性を追求したいと考えています。

その一つは共存、共栄、共同、共助などの言語に使われる「共(とも)」にあると捉えています。それは企業のみならず、行政、民間団体、市民やJCの活動にも深く関わってくるものと考えています。神戸の発展を願い活動しているのはJCだけではなく、さまざまな団体や企業、個人がそれぞれに特色を持ちながら活躍をしています。真に街の発展を求めるならば共助の精神を持って民の力を集結し、自立した活動を続けながらも互いの存在を認めあい、自らを高めあうことが必要だと考えます。本年は神戸JCが主として開催する「KobeLovePort・みなとまつり」において、今まで以上に「共(とも)」を意識し、人が集う地域活性化事業としての魅力を共創することで、新たな光を照らす礎となり得る取り組みを展開していきます。

二つ目のキーワードはグローバル化です。ビジネスの世界においては加速度的に進行すると思われます。これからの未来には海外で活躍する、あるいは直接、間接を問わず日本にいながらも海外市場で活躍する人財が今以上に求められるのではないでしょうか。またグローバル化が更に進行する過程で外国人を受け入れる体制を街として構築していかなければなりません。それは官民が一体となり取り組むべきだと考えています。そして街のグローバル化を推進していくことは住まう人や訪れる人を増加させる可能性を秘めていると考えています。神戸の街の特徴とグローバル化の流れを重ね合わせたときに、私たちがその未来を描く基盤となり得る取り組みに挑戦します。

人の心につながる路

戦後の時代を生きた人々は自分たちの生活を守ることも困難な状況にありながら、豊かな社会の実現を目指して懸命な努力をしてきました。その時代を生きた人々もやがて子を授かり、その前の時代から託されたバトンを次の世代に託します。私たち自身もそのバトンを託されるまでに学問教育だけでなく、人としての教育を受け、親や身近な大人たちの後姿を見ながら成長してきました。人は皆、幼少の頃からの全ての経験、これまでの教育で学んだ知識を基盤に価値観を育み、年齢を重ねるごとに自らの個性を磨きながら社会に出る準備をします。成長の過程で得られる経験や学びが自分を築く上で重要な要素になることは言うまでもありません。

東日本大震災のとき、被災地で支えあう日本人を目の当たりにした諸外国のメディアは、その道徳心や誠実さなどを取り上げ、その全ては日本人の素晴らしい気質だと界中で称賛されました。私はこれこそが次代を担う子どもたちへ伝えたい美学であると考えていす。日本の道徳教育には常に賛否が混在し、これまでに幾度となく見直されてきました。しかしその中にも変えてはならないものが存在するはずです。本年は現在の道徳教育に視点を置き、我々自身が見識を深めるとともに、忘れてはならない日本人の気質や心の在り方を伝えることに取り組みます。

また東日本大震災では多くの犠牲を伴い、震災の影響は今もなお続いています。私自身、発生当時から幾度か被災地を訪れ、支援活動に携わりました。被災地を訪れるたびに「自分は当たり前のように日常生活が送れていること自体、幸せなことなのた」゙と痛感させられます。東北は長きにわたり復興に向けて力強く歩まなければなりません。私たちも阪神淡路大震災を経験し、街の復興へと歩むとき、多くの人々に支えられ、背中を押してもらいながら進んできました。広範囲におよぶ東日本大震災の復興に私たちができることは限られているかもしれませんが、震災を経験した街に住む私たちだからこそできることがあるはずです。支援の輪が広がることを願い、風化させないためにも人の心に伝え、人の心に残る取り組みを実践していきます。

未来へと続く組織の路

JCは明るい豊かな社会を実現するために、街づくりと人づくりを中心に活動を続けています。その歩みは社会に変化があろうとも影響されることはありませんが、組織は社会の変化に適する形へと進化しなければなりません。進化を遂げようとするとき、まず過去を知り、そして今を見つめ、未来を創造することの大切さを持ち合わせていれば、確かな歩みをもたらすと考えています。その歩みの中で繰り広げられるすばらしい活動の源は時代を力強く歩もうとするメンバーの若い力にあります。このことは昔も今も、そしてこれからも変わることはありません。また能動的に活動を続けることでメンバー自身にも青年経済人としての更なる成長と出会いの機会を与えてくれます。成長の機会は順風満帆でなんの努力もない活動からは生まれません。苦労して作り上げたときの経験や感じた気持ちが自分の成長につながるのだと確信しています。それは強く心に残り、そのとき苦楽をともにしたメンバーとの思い出は深く心に刻まれます。その活動から生まれる出会いは神戸JC内に留まらず、多くの機会を提供してくれます。その出会いを意義あるものへと変える可能性は自分自身にあり、変えることを自らが望まなければ、それは単なる出会いの機会だけに終わってしまいます。

55年の節目であるからこそ、今一度神戸JCを振り返り、歴史と伝統を継承しながらも、変革の精神を持ってこれからの時代に必要とされる新しい組織の在り方を創造する機会を持ちたいと考えています。そして活動の源であるメンバーにとって自己研鑚の場が自ずと作られ続ける組織であり、これまでの出会い、これから訪れる出会いが、いつの日か、たからへと変えられる一年をともに歩みましょう。その一つひとつが、組織の歩みに希望を与え、活動からの成長と出会いからの成長が織り成す真の成長につながります。

むすびに

はじめから不可能と判断するのも、可能を不可能にするのも、そして不可能を可能にするのも全て自分自身です。

創始から込められた質実剛健の精神のもと力強く行動すること。
私たちが「元気です」と答えられる唯一の条件であると信じています。失敗を恐れず、自分を律し、仲間と組織の可能性を信じ、大胆に、そして強かに未来へと続く希望の路を歩みましょう。

「あなたたちはこれからの人ですから」
(秋田博正氏の言葉)