理事長基本方針

結の都市「神戸」の実現
~ 立ちあげろ、つながりの濤 ~

一般社団法人 神戸青年会議所
第60代理事長

髙島 章光

はじめに

 神戸青年会議所創立の際、故・秋田博正初代理事長は、「自己研鑽をしながらメンバー一 同が親しく団結し、友情を深めることを一番に願うとともに、研鑽に当たってはまず経済的 な問題を指向し、若さによる血気は必要だが、甘えのないしっかり地に足のついたJCであ ってほしい」との想いをこめられました。神戸空港開港に向けた運動を始めとし、これまで 神戸の経済・教育・文化・環境など多方面の分野で神戸の歴史を刻む運動を築き上げることができたのは、この「質実剛健」の精神が神戸JCに脈々と受け継がれてきたからに他なり ません。
 経済成長と技術革新によって、私たちは物質的な豊かさを手にし、多様なライフスタイル が認められる時代を迎えました。それは同時に、個人主義的な価値観をよしとする風潮を生 むとともに、核家族化を助長し出生率の低下を招きました。この少子化問題は、東京一極集中と相まって、地域の労働人口を減少させ、消費市場を縮小させる要因となっています。神 戸を含め、地方都市はこの深刻な問題の解決のために様々な試みを行っていますが、未だ根 本的な解決には至っていません。
 私は、この現状を打開するためには、地域の人々と日常を共にして得られる連帯感、充実 感という意味での精神的な豊かさを実感できる都市の創 が必要であると考えます。個人 主義的な価値観からは、その個人の能力を超えるアイデアは生まれません。人と人との繋がりの波紋が重なる中で生まれる新しい価値観にこそ、あらゆる社会問題を解決できる無限 の可能性が秘められているのです。私たちは、人と人とが繋がる結の都市「神戸」を実現し、 地域が直面する社会問題を克服した魅力ある都市としての地位を確立するべく、その歩み を進めなければなりません。
 仲間との団結と友情を第一とする創始の想い。それは、私たちの原点であり、社会に変革 を促し「明るい豊かな社会」を実現するための運動の原動力です。その精神を受け継いでき た私たちは、今、神戸の新たな都市基盤を創る先駆けとなることが求められています。
 ALL KOBE JAYCEES の団結と友情を礎に、失敗を恐れず、神戸の地に繋がりの濤を立ち上げる力強い運動を展開します。

60年の繋がりに感謝

 発足当初、51名のメンバーで運動を開始した神戸JCは、59年間にわたる先輩諸兄の創意工夫と運動の成果の蓄積によって、強固な組織力と地域への発信力を兼ね備えた組織に成長しました。この先輩諸兄が築いてこられた功績があったからこそ、私たちは社会の変革に挑戦することができるのです。私たちはその重みを再認識し、このすばらしい組織を継承することに誇りと自覚をもって運動しなければなりません。
 これまで運動の軌跡を紡いでこられた先輩諸兄をはじめ、日本各地で活躍する青年会議所の同志、そして私たちと運動を共にしていただいた全ての皆様に感謝し、神戸JC創立60周年という節目の日を共に迎えます。そして、私たちが目指す神戸の未来像を発信し、共有し、その実現の推進力となる新たな絆を紡ぎます。

人と人とが繋がる文化の継承

 神戸のまちは、瀬戸内海と六甲山麓という風光明媚な自然に恵まれ、西日本の玄関口として「港」を中心に発展し、多彩な文化が共生する国際都市として成長してきました。昨年、開港150年迎えた神戸港は、クルーズ客船の誘致やウォーターフロントの整備も進み、物流以外にも市民に親しまれる港として進化を続けています。
  「海・港」に感謝を捧げるまつりとして始まった、神戸JCが主として開催している「Kobe Love・Port みなとまつり」は、本年度で17回目を迎え、今や神戸の夏の風物詩といえる事業となりました。私たちは、今まさに伝統を形づくる時代の道中に生きていることを自覚し、これから創り上げるみなとまつりが、「人と人とが繋がる神戸の伝統文化」として後世に語り継がれるよう、その未来像を描くみなとまつりを開催します。

人と人とが繋がる魅力の創造

 情報革命とともにグローバル化が急 に進み、異国文化がすぐ身近にある社会が到来している今、私たちは、神戸の更なる魅力を何に見出すべきかに向き合わなければなりません。
 私は、その答えを「人と人とが繋がる魅力」に見出すべきであると考えます。出生、就学、就職、ビジネス、観光その他きっかけを問わず、一度でも神戸という都市に関わった全ての人が、生まれや育ちにかかわらず、自分が神戸市民としての人生を歩みたくなる。それは、単に神戸市に住居を構えるという地理的な意味だけではなく、神戸の人々との繋がりに価値を見出すことができる。そんな新たな都市の仕組みを築くことが求められているのではないでしょうか。
 先輩諸兄は、それを実現することができる財産を私たちに残してくださいました。それは、59年間の運動で築かれた神戸JCが持つ組織の繋がりと、神戸の各所で今も活躍するALL KOBE JAYCEESとの繋がりです。私たちはこの貴重な財産に感謝し、これを礎に、失敗を恐れず時代の先駆けとして、地域に新たな絆を根ざすべく邁進します。

地域との繋がりを深化

 神戸JCは、59年間の運動の中で、公開討論会、国際パネルディスカッション、青少年育成事業、阪神・淡路大震災からの復興事業、その教訓を未来に活かす防災・減災事業など、数多くの事業を推進し、地域との関係を築いてきました。
 神戸に関わる人と人との繋がりを生み出し、その波紋を広げるためには、私たちの運動を神戸JCブランドとして神戸市民に発信することが不可欠です。本年度は、これまで私たちが築いてきた地域との繋がりを深化させ、これを「誰にどのような情報を伝えたいのか」「その情報発信がなぜ必要で、どのような狙いがあるのか」「その目的を達成するために最適な情報発信の手段を選択できているのか」という視点を持って時代に即した情報発信を行い、私たちと地域との絆がさらに深まるシナジーを創り出します。

メンバーとの真の友情を育む

 神戸JCに込められた創始の想いは、仲間との友情を第一にと願うものでした。営利を目的とせず、「明るい豊かな社会」の実現のために仲間と共に過ごす時間は、経済活動の中だけでは決して育まれることのないメンバー同士のかけがえのない友情を生み出します。その繋がりは、さらに「自分のためではなく、誰かのために動く」というメンバーシップを芽吹かせ、地域を動かす源泉であるという社会の真理に気づかせてくれます。これこそがメンバーが地域を牽引するリーダーとして成長する仕組みであり、神戸JCの最大の魅力です。
 しかし、このメンバーシップは、馴れ合いで育まれるものではありません。メンバー各人が、自らに与えられた役割を務めあげる責任感を持ち、互いの職務に理解と敬意を表し、時には議論をぶつけ合いながら運動を共にすることが大切なのです。「甘えのない、地に足のついたJC」が何たるかを考え、仲間との本当の友情を築く運動を展開します。
 そして、新たな神戸JCメンバーとのメンバーシップが、神戸の未来を変える都市づくりの第一歩となることを自覚し、新しい仲間との繋がりの輪を広げます。

同志との繋がりを深める

 神戸JCの59年の歴史の中で、先輩諸兄は、志を同じくする友好JC・姉妹JCとの交流関係を築き、私たちに引き継いでくださいました。「神戸JCのメンバーである」というだけで広がる同志との繋がりが、本当にかけがえのないものであることを、私たちは再認識しなければなりません。
 活動する地域は違えども、その地域ならではの創意工夫を重ねる同志の運動は、物事を俯瞰する新たな視野を広げ、私たち自身を大きく成長させてくれます。同志との変わらぬ友情に深く感謝し、互いに成長し、更に高め合える関係を築き、次代へと繋げます。
 先輩諸兄の運動を通じて、メンバーには、兵庫ブロック協議会、近畿地区協議会、日本JC、JCIへの出向という活躍の場が用意されています。神戸という都市を超えた、兵庫県、近畿、全国そして世界という、より広いフィールドでの運動で得られる経験は、メンバーを飛躍的に成長させるものです。この機会の貴重さを周知し、神戸JCの組織力を強化すると ともに、成長したメンバーが神戸の発展に寄与するべく、積極的に運動します。

結びに

 創立60周年を迎える節目の年に、私はこの素晴らしい組織の長となる機会をいただき ました。神戸JCが、これからも神戸の歴史を刻む運動を展開する組織であり続けるため に、そして、全てのメンバーの成長のために、力の限りを尽くし行動します。
 私たちは、運動を重ねるごとに新しい繋がりと気づきを得て自身の成長へとつなげてい ます。人と人との繋がりが持つ無限の可能性を実感している私たちだからこそ、希望に満 ちた神戸の未来を必ず創ることができると確信しています。

「Anyone who has never made a mistake has never tried anything new.」 -Albert Einstein-
(一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である)
(アルバート・アインシュタイン)

 失敗を恐れず、挑戦しましょう。私たちの運動に、失敗はありません。期待した成果が でなかったとしても、その経験は必ず私たちを成長させ、次の運動の成功への軌跡となる のです。私たち一人ひとりが持つ繋がりの力を結集し、大きな濤を立ち上げ、人と人とが 繋がる結の都市「神戸」を実現しましょう。
 その全ての歩みを仲間たちと共に。

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